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遺産分割と成年後見

 遺産分割を行うときに、判断能力が問題になることがあります。
 そんな典型的なケースです。

Question
 私の80歳になる母の相談です。
 父が亡くなり、四十九日も過ぎたので、遺産分割の話しをしようと、きょうだいと実家に集まりました。ところが、父が生きているうちは元気だった母が、足腰も弱くなり、物忘れもひどくなっていて、父の貯金通帳がどこにあるかも分からない様子です。
 母の面倒を誰がみるかは、きょうだいでよく話し合いたいと思っていますが、遺産分割の意味もよく分からないみたいで、このまま遺産分割を進めていいものか疑問ですし、遺産分割した後の財産の管理もどうしたものか分かりません。

Answer
 認知症などで判断能力が弱くなってきているのであれば、その程度によっては、遺産分割をそのまま進めることができません。後見人を付けて、後見人によって遺産分割を進める必要があります。
 そこで、まず、精神科・心療内科などで、認知症かどうか、認知症の場合はどの程度か、診断してもらう必要があります。
 その結果、認知症で、判断能力が落ちているということであれば、その程度によって、家庭裁判所で補助人、保佐人、成年後見人を付けてもらうことになります。遺産分割は、その補助人、保佐人、後見人の同意や代理で進めることになります。この家庭裁判所への申立ては、家庭裁判所の受付で手続の進め方を聞きながら、自分で申し立てる人もいますが、法律が絡むので、難しいところもあり、弁護士などに依頼する人もいます。
 なお、遺産分割をする場合、母と子どもは利害が対立するので、子どもはこの補助人、保佐人、後見人になれません。普通は、弁護士や司法書士が選ばれます。
 また、そうして、補助人、保佐人、後見人が選ばれていれば、遺産分割後の財産管理も支援してもらえます。例えば、高齢者を狙った悪徳商法にだまされるようなことがあっても、取り消すことができるようになります。