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相続は家族にとって重要な課題の一つです。しかし、実際の現場では、財産を巡る対立や手続きの遅れが原因で、遺族間の関係が悪化するケースもあります。特に不動産や預貯金の分割に関する問題は、事前の対策がなければトラブルに発展しかねません。
この記事では、遺言書の重要性や適切な相続準備について解説します。
「まだ元気だから必要ない」「財産が少ないから遺言書は不要」と考えている人も少なくありません。しかし、予期せぬ事故や病気によって、判断能力が低下する可能性があるため、遺言書はむしろ健康なうちに作成するべきです。
また、遺言執行者を指定しておくことで、相続時の手続きをスムーズに進めることができます。
2020年の民法改正以降、配偶者居住権が認められ、配偶者は亡くなった方の所有する家に無償で住み続けることができるようになりました。しかし、配偶者居住権の対象にならない不動産や預貯金の分割は、依然として遺言書で明確にしておく必要があります。
さらに、2024年の法改正により、相続登記が義務化されました。相続が発生した場合、3年以内に不動産の名義変更を行わなければならず、手続きを怠ると罰則が科される可能性があります。この制度を考慮すると、遺言書を作成し、相続人間での合意を円滑に進めることがより重要になりました。
遺言書は、内容全文・氏名・日付(年・月・日)を自筆で書き、印鑑(認印でも可)を押せば作成可能です。紙や筆記具、封の形態に法律上の制限はありません。
例えば、以下のように書くことで、有効な遺言書を作成できます。
○○市○○町1番1号の土地と家屋は妻田中花子に相続させる。
その他の財産は、法定相続人に法定相続分に従って相続させる。
令和7年1月1日 田中太郎 印
実際には、「土地と家屋については、法務局で登記事項証明書を取得して、登記簿上の地番や家屋番号を書く」や、「『その他の財産』をできる限り列記する」などの詳細記載が望ましいですが、それがなくても遺言書は有効です。
また、2020年の法改正により「法務局の遺言書保管制度」が導入されました。自筆証書遺言を法務局に預けることで、安全に保管できるだけでなく、家庭裁判所の検認が不要になるメリットがあります。
相続が発生する前に、相続人の一部が「特別受益」として財産を受け取っている場合、通常の相続時に取り分が減らされる可能性があります。しかし、「もらった・もらっていない」という認識の違いから、トラブルになるケースも少なくありません。
遺言書には「特別受益の持ち戻しを免除する」と記載することができ、この一文によって後の争いを未然に防ぐことが可能です。
より確実な法的効力を持たせるためには、公証人に作成してもらう公正証書遺言が推奨されます。
相続は、事前の準備によって円滑に進めることができます。遺族の負担を軽減し、トラブルを防ぐためにも、早めに相続対策を講じることをおすすめします。
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