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傷痕が残った場合(外貌醜状)の損害賠償

 さらに続いて、NBCラジオ「塚田恵子のシャキットモーニング」の「シャキッと解決!ラジオ法律相談」で取り上げた話題です。

1月5日オンエア分
Question
 昨年末、私は、横断歩道を渡っているときに、脇見運転してきた車にはねられ、全身に怪我を負いました。
 ようやく治療も終わろうとしていますが、結局、顔に3cmの傷跡が残ってしまいました。
 そのため、精神的にもこもりがちになり、仕事にも復帰できず、辞めてしまうことになりました。
 しかし、加害者側からは、将来働けなくなったことの賠償まではできないと言われています。

Answer
 治療している間の治療費や仕事を休んだ休業損害、その入通院の期間に応じた慰謝料の賠償を受けられることは当然です。
 問題は、傷痕が残ったことについて、後遺症として、将来働けなくなったことの賠償(逸失利益といいます。)や後遺症の慰謝料の賠償を受けられるかです。
 このように傷跡が残ることを外貌醜状といいます。
 外貌醜状については、傷痕の場所や大きさによって後遺障害の重さ=級が変わります(一番重いものが1級、一番軽いものが14級)。かつては、男性と女性で後遺障害としての扱いが異なり、女性はより重い後遺障害、男性はより軽い後遺障害とされていましたが、憲法の平等原則に反するとして、昨年から男女で扱いの違いはありません。
 顔面に3cmの傷痕だと、12級にあたります。
 そこで、まず、12級の後遺障害慰謝料として、裁判の基準によれば、290万円が認められるべきです。
 難しいのが、将来働けなくなる損害、逸失利益です。外貌醜状は、身体は元気なわけですから、当然に収入が減るとは考えられていません。ただ、人前で接客する仕事であれば、仕事に影響が出ることも考えられるので、逸失利益が認められることもあります。微妙なので、弁護士に相談してみてください。