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裁判はどのように進むのか

しばらく医療ネタが続いたので、法律ネタです。しかも、弁護士らしい裁判ネタということで。

まず、裁判はどのように進むのかということです。

裁判の流れは、大きく主張の段階と立証(証拠調べ)の段階に分かれます。

まず、お互いが言い分(主張)を出し合い、どこに争いがあるのか、その争いについて双方がどのような主張をしているのかをまとめます(主張整理、争点整理といいます。)。もっとも、主張段階でも、書証は平行して提出しています。
この主張段階に、5回前後の期日を使うのが平均的な気がします(複雑な事件だと、ここで10回を超えるような期日を使う場合もあります。)。

主張整理が終わると、証人尋問・本人尋問を行う立証(証拠調べ)の段階に入ります。立証といっても、書証は主張段階で原則として出し終えていますから、尋問だけです(書証に対して人証といいます。)。
この尋問のための期日は、原則として1回で終わります。

尋問が終わると、最後にまとめの書面を出す期日を入れて、審理を終え(弁論終結といいます。)、判決を迎えます。

というのが判決までの流れですが、実際には、多くの事件は、判決に至らずに、和解で終わっています。
このあたり、意外に思われることが多いのですが、双方の言い分を聞き、証拠を見て、判決の見通しをつけた上で、裁判官から和解案を示されれば、それに応じるのが普通の対応です。どうせ、判決でも同様の結論なのですから、その判断に納得できず、高裁でもう一度判断してもらおうというのでもない限り、裁判官の和解案で和解するでものです(もちろん、例外はありますが。)。

特に、交通事故の場合、争点整理が終わった段階で、尋問をせずに裁判所から和解案が示されるのが普通の流れです。
事故の状況は、実況見分調書等の刑事事件の記録で分かりますし、症状の経過、後遺障害の状況等は診療録等の医療記録で分かります。それ以上に、尋問の必要はない場合が多いのです。