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家事労働の休業日数の考え方

自賠責の計算方法は単純です。
まず、日額は、定額の1日5,700円です(裁判基準の女性労働者全年齢平均賃金に比べると6割弱に過ぎません。)。
休業日数は、原則として実治療日数です。ただし、治療期間の範囲内で、実治療日数の2倍を限度として認定されます。

でも、実治療日数を基準として休業日数を計算するのは、何か変です。
入院中、全く家事労働ができないというのは分かります。
でも、通院した日は、1日全く家事労働ができず、通院しなかった日は、原則として、完全に家事労働ができたというのでしょうか。

実際には、通院期間を通じて、事故直後は、家事労働がほとんどできなかったものが、徐々に家事労働ができるようになり、治癒したのであれば、治癒したときに完全に家事労働ができるようになったという経過をたどるはずです。後遺障害が残るのであれば、症状固定したときに、その症状固定した等級の労働能力喪失率で確定することになります。

例えば、通院期間3か月で治癒したとすれば、最初の1か月はごく軽い家事しかできず90%の労働能力の制限があったが、次の1か月は60%の労働能力の制限となり、最後の1か月は30%の労働能力の制限があったというような計算方法です。実際に、そのような計算方法をとった判決があります。
しかし、実際には、そのような階段を下るように制限された労働能力が回復するわけではなく、日々、徐々に制限された労働能力が回復します。そうすると、事故直後90%の労働能力の制限があったのが、徐々に回復し、治癒した日に30%にまで回復したとして、その平均60%で、全治療期間の休業日数を計算して良いということになります。そして、実際に、このような計算方法をとった判決もあります。

と言葉で書いても良く分からないでしょうから、実際の計算例を次回に。