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続けて2回の事故にあったときの考え方-寄与度が分からないとき

2回の事故にあったとき、2回目の事故以降の損害は、どちらの事故がどれだけ被害者の症状に影響を与えたか(寄与度)を考え、寄与度の割合で責任を負うとするものが多いと説明しました。

では、1回目と2回目の事故の寄与度が分からない場合はどうなるのでしょう。
そんなときのために、わざわざ民法には規定があります。
民法719条1項後段には、「共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないとき」は、「各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。」と書かれています。
「連帯責任」とは、どちらに対しても全額の請求ができるが、二重取りはできないという関係です。

そして、実際に、1回目の事故と2回目の事故のいずれが被害者の症状のどの程度の原因となったかが分からないと認定して、連帯責任とした判決があります(浦和地裁平成4年10月27日判決、名古屋地裁平成10年12月25日判決、大阪地裁平成12年2月29日判決)。

ということは、寄与度がはっきりしなければ、2回目の事故以降の損害は、1回目の事故の加害者(損保会社)と2回目の事故の加害者(損保会社)に、それぞれ全額請求しておけばいいわけです。
とはいっても、交渉段階では、双方の損保会社間で、お互いの寄与度を何割だと調整するのが普通でしょう。