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自賠責における共同不法行為と自動車保険(任意保険)

ちょっと難しくなっていますが、続けて2回の事故にあう人は、実は結構多いのです。この記事を書いている1週間足らずの間にも、この問題がからむ相談を2件受けました。

問題を簡単にするために、自賠責だけを考えてきたのですが、実際には、加害者の多くは自動車保険(任意保険)に入っています。
自賠責に自動車保険(任意保険)が絡むと、ますます分からなくなってきます。

分かりにくい問題を単純にするために、後遺障害に限って考えてみます。
例えば、むち打ち損傷で14級の後遺障害が残り、逸失利益と後遺障害慰謝料が、裁判基準(「赤い本」基準)で合計210万円だったとします。
1回目の事故と2回目の事故が同じ程度の事故で、寄与度(症状・後遺障害に与えた影響)が50%ずつだとします。
過失相殺率は、1回目の事故は追突事故で100:0(被害者側は0%)、2回目の事故は被害者側の過失も大きく60:40(被害者側は40%)だとします。

まず、自賠責部分を考えると、1回目の事故、2回目の事故とも75万円ずつです。

次に、自動車保険(任意保険)分を考えると、寄与度が50%ずつですから、損害合計210万円を1回目の事故、2回目の事故にそれぞれ105万円ずつ分割します。

その上で、1回目の事故、2回目の事故にそれぞれ過失相殺します。
そうすると、1回目の事故は、過失相殺0%なので、105万円をそのまま受け取ることができます。そのうち、自賠責分75万円は、105万円を支払った自動車保険(任意保険)の損保会社が自賠責の損保会社から回収します。
次に、2回目の事故を考えると、過失相殺40%なので、105万円×60%=63万円しか請求できません。しかし、自賠責分75万円があるので、結局、75万円の支払を受けることができます。
1回目の事故分として105万円、2回目の事故分として75万円の合計180万円の支払を受けることができるわけです。

分かりました?
でも、これは、分かりやすくするための簡単な例で、実際の計算はこんなに簡単ではありません。
やっぱり、弁護士に相談した方がいいケースだと思います。