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人身傷害保険に入っていた場合の過失相殺

久しぶりの更新です。
実は、人身傷害保険に入っていた場合の過失相殺が問題となるケースの交渉をしていて、以前、書いた記事を探してみたのですが、見当たりません。書いたことがあると思っていたのに。。。

例えば、被害者の側にも落ち度があり、30%の過失相殺がある場合だとします。後遺障害14級の事前認定があり、損害総額が400万円だとします。
そうすると、30%の過失相殺の結果、損害賠償の支払を受けられるのは、損害の70%にあたる280万円が限度だということになります。

ところが、自分の自動車保険(任意保険)に人身傷害保険(よく人傷(じんしょう)といわれます。)が付いていると、この自分の過失割合分も、補償を受けることができます。

まず、自分の人身傷害保険に請求すると、人身傷害保険の基準により、保険金の支払があります。それが、例えば、150万円支払われたとします。

そうすると、この150万円は、加害者側の損保会社(対人賠償)に請求するとき、まず、30%の過失相殺分=120万円に充てられます。残りの30万円だけが、加害者の支払うべき損害賠償額の支払があったものと扱われます。つまり、加害者側損保会社(対人賠償)との関係では、280万円のうち30万円の支払があったとして、250万円の支払を受けることができます。

回りくどい説明でしたが、結局、この例では、自分の人身傷害保険から150万円、相手方の対人賠償保険から250万円の合計400万円の支払を受けることができるわけです。
人身傷害保険に入っていれば、過失相殺がある場合でも、過失相殺がない補償を受けることができるのです。

ところが、損保会社は、なかなかこの理屈を分かろうとしません(続く)。