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むち打ち損傷の後遺障害等級

 むち打ち損傷は、後遺障害等級(障害の重さ)では、もっとも軽い14級とされたり、14級にもあたらない(非該当)とされることが多いのですが、その等級を争った書面(訴状)の総論部分です。この後に、具体的なあてはめが続きます。

(3) 後遺障害等級
ア その後遺障害の程度は,「局部に頑固な神経症状を残すもの」として,後遺障害別等級表12級相当である。
イ 予想される被告の主張
 この点を,被告が自動車共済契約を締結する●●共済は争い,14級相当である旨を主張する。その理由として,●●共済○○県本部は,自賠責共済後遺障害審査会の審議結果を援用し,12級相当の「神経系統の傷害が医学的な他覚的所見により証明される」ものとはとらえがたく,14級相当の「医学的に説明可能な痛みやしびれが持続しているもの」にあたるという。
ウ むち打ち損傷等の神経症状に関する損害のとらえ方
 しかしながら,そもそも,損害額の算定の基準となる後遺障害等級の差は,基本的には症状の軽重に由来するのであって,局部の神経症状についていえば,それが「頑固」か否かが問題である。「局部に神経症状を残すもの」が14級であり,「局部に頑固な神経症状を残すもの」が12級なのである。にもかかわらず,それを他覚的所見の有無で分けようとする●●共済の主張(それは,賠償実務の一般的な考え方でもある。)は,その出発点において誤っている。

 かつて,東京地方裁判所民事27部河邉義典部総括判事が言ったように,「むち打ち症について,医学的な所見の存否だけを見て賠償額を決するのは,適当ではな(い)」(「交通事故賠償の実務と展望」東京三弁護士会交通事故処理委員会編『新しい交通賠償論の胎動』22頁)。「被害者の主訴の内容,治療の経過,事故態様,主治医の意見等をも総合的に考慮して,後遺障害の存否・程度,治療の必要性・相当性などを認定する」(同21頁)のが裁判実務である。これに対し,「賠償医学者側から『非科学的である』と批判されることがありますが,むち打ち症については医学的に未解明の部分がある以上やむを得ないといえます。また,むち打ち症には,心因的,社会的な要素が関係している場合が少なくないのですが,これが事故を契機として発症したものである以上,心因的,社会的な要素をすべて被害者本人の責めに帰するのは相当ではありません。」(同21頁)。

 また,●●共済(賠償実務)がいう他覚的所見が何を意味するかも問題である。臨床医学的に他覚的所見といえば,X線,CT,MRIなどの画像検査に加え,筋電図,腱反射検査,スパーリングテスト,ジャクソンテスト,知覚検査,徒手筋力検査等が挙げられる。ところが,賠償実務は,他覚的所見を画像所見等に限定するのが一般であり,本件でもそうである。しかし,そのような判断方法は,結果として,被害者の症状を事故によらないものとして賠償の対象から不当に排除する傾向を否定できないのであって,相当ではない。
エ 原告の場合
 そこで,原告の場合を見ると,<以下略>