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ホーム法律の話(ブログ)交通事故よく問題となる傷病名から(医学的基礎) > 椎間板ヘルニアが見付かっただけでは・・・

椎間板ヘルニアが見付かっただけでは・・・

この病名ではちょっと・・・(2014/01/19→こちら)という記事で、あまり嬉しくない病名、症状名として、椎間板膨隆(ぼうりゅう)、椎間板ヘルニアを挙げました。
今回はその説明です。

背骨(脊椎)は、椎骨という骨と、椎骨と椎骨をつなぐ椎間板とからできています。
椎間板は軟骨でできていて、椎骨をつなぐクッションの役目をしています。もう少し詳しくいうと、腺維輪という硬い軟骨の囲いの中に柔らかい髄核という軟骨が入っています。

この椎間板が押しつぶされて、膨れあがってきた状態を椎間板膨隆といい、髄核が腺維輪を破ってはみ出した状態を椎間板ヘルニアといいます。
椎間板ヘルニアになると、はみ出した部分が神経を圧迫して、痛みやしびれが出てきますし、ひどい場合は麻痺も現われます。

そういうと、むち打ち損傷でも椎間板ヘルニアは起こりそうなのに、どうしてあまり嬉しくない病名、症状名なんだと思われるでしょう。

それは、椎間板ヘルニアは、年齢を重ねて弱くなった椎間板であれば、本当に軽い衝撃でも発生するとされているからです。日常のちょっとした動作でも発生するとされているので、椎間板ヘルニアが確認されたからといって、その原因が交通事故かどうかは分からないというわけです。
交通事故が原因であったことを確認するためには、事故直前のMRIでは椎間板ヘルニアがなかったのに、事故直後のMRIで椎間板ヘルニアが確認されることが必要です。しかし、事故直後はともかく、事故直前にMRIを撮っていることなど普通はありません。(ちなみに、以前も説明しましたが、MRIは身体の柔らかい部分を調べるときに有効で、椎間板ヘルニアはMRIで簡単に分かります。)

でも、事故前はなかった痛みやしびれが出てきていて、事故後、椎間板ヘルニアが見付かったのだから、この痛みやしびれには椎間板ヘルニアが関係しているのではと思われるかもしれません。
ところが、ここも難しくて、椎間板ヘルニアであっても、痛みやしびれを感じない場合があるというのです。つまり、事故前は痛みやしびれという症状がなかったからといって、事故前に椎間板ヘルニアがなかったということにもならないのです。

では、被害者側弁護士として、どう考えればいいのか。続きはまた今度。