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膝動揺関節に関する医師の感覚

症例を多く扱う整形外科医であればあるほど、MRIなどには頼らず、徒手検査で膝関節の動揺性を確認し、靱帯損傷の有無にあたりを付けます。
しかし、画像で所見(異常)がないと、後遺障害と認めないのが調査事務所です。

徒手検査というのは、医師が、自分の手で患者の膝を前後左右に押したり、引っ張ったりして、膝がぐらついていないか、動揺性の有無と程度を確認する検査方法です。
経験が豊富な医師であれば、この徒手検査で、動揺性の有無、程度を把握し、靱帯損傷の有無もかなり正確に判断できます。
ということは、逆に、医師の技量によっては、正確に判断できないこともあるわけで、そこで、調査事務所は、徒手検査だけでは間違いがあるので、不十分と考えるのです。

ここが、医師の感覚と等級認定実務の違いです。
そこで、後遺障害の等級をきちんと取るためには、そういった臨床にあたっている医師にとっては不要と思う検査もやってもらう必要が出てきます。

ちなみに、労災の後遺障害の認定にあたっては、嘱託医が、実際に被災者と面談し、徒手検査を行って動揺性を判断するので、受診していた病院・診療所でどんな検査を受けたかについて、そう神経質になる必要はありません。実際、労災の後遺障害の認定は、交通事故の後遺障害の認定より高くなることがよくあります(同じ基準を使っているのにです。)。