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これまで、頭蓋内出血を見てきましたが、改めて、頭部外傷全体をまとめておこうと思います。

頭に外から力が加わり、皮膚、頭蓋骨、脳に傷を負う場合をひっくるめて頭部外傷と呼んでいます。
頭部外傷のうち、もっとも数が多いのが交通事故による頭部外傷です。

外から順番に、皮膚の外傷として、たんこぶ(皮下血腫)や頭部裂創があります。
皮膚が裂けておらず、皮膚の中に出血している状態がたんこぶ(皮下血腫)ですが、これは自然に治ります。皮膚が裂けると(頭部裂創)、頭の皮膚は血流が多いので、かなり出血しているように思いますが、そんなに心配することはないとされています。

次に、頭蓋骨が骨折すると、それだけ強い力が加わったことになるので、脳への影響も考えられ、慎重に治療することとなります。ひびが入った程度(線状骨折)だと、そのまま経過を見ることになりますが、めり込んだ状態(陥没骨折)だと手術が必要になるようです。

しかし、本当に怖いのは、その影響が脳に及んだ場合です。
その具体例として、硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、慢性硬膜血腫、外傷性くも膜下出血といった頭蓋内出血の説明はしました。

もう一つ、脳自体が崩れた状態が脳挫傷です。また、その場合は出血も伴い、脳の内部に血腫(血のかたまり)ができますが、これを脳挫傷性血腫といいます。
既に、脳が崩れているのですから、重い後遺障害を残すことが多く、死に至る場合もあります。

さらに、脳挫傷のように、ここと場所を特定できないのだけれど、広い範囲で脳が傷付けられた状態をびまん性脳損傷といいます。「びまん性」というのは、病変が場所を限定せず、広い範囲に広がっていることを示す用語です。
このびまん性の脳損傷は、最近のホットな議論なのですが、後日、考えてみたいと思います。