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打ち切り後の通院

以前の記事(打ち切り時期について)でも述べたように、近年の保険会社の対応を前提とすると、たとえ弁護士が入って交渉したとしても、期待通りに打ち切り時期が延長されるというケースは多くありません。
そうすると、打ち切り後の対応を考えなければなりませんが、基本的には、痛み等の症状が続いており、治療による改善が認められる状態であれば、打ち切り後も通院を継続することです(反対に、症状に目立った改善が見られず、一進一退の状態が続いているのであれば、通院は継続せずに、症状固定とするかについて検討が必要でしょう。)。
この点、治療費が打ち切られると、それ以上通院できないよう誤解されている方もおられるのですが、そのようなことはなく、打ち切り後も通院して何ら問題ありません。

 

とはいえ、打ち切りの際に保険会社の担当者から、「そろそろ治療を終了してほしい」と言われたという相談を受けることがあります。このような、打ち切りと同時に治療終了となるかのような説明は、誤解を与えるものです。
一般社団法人日本損害保険協会に加盟する損害保険会社に向けた『損害保険の保険金支払に関するガイドライン』によれば、「(3)一括払いに関する丁寧な説明」の項で、「契約者等・被害者が自動車事故で受傷している場合、会員会社は契約者等・被害者に対し、人身傷害保険や対人賠償保険では自賠責保険部分を含めて保険金を支払う「一括払い」を行うことについて親切・丁寧に説明し、同意の有無を確認する。」ことが求められています。
保険会社としては、一括払いの趣旨を丁寧に説明した上で、一括対応終了によって治療を終了しなければならないかのような、誤解を与える説明は、避けるべきでしょう。

 

保険会社が判断しうるのは、あくまでも、治療費支払いの終了時期のみで、治療自体の終了時期を決める権限はありません。治療をいつ終了するかについては、患者の症状を踏まえた上で、主治医の判断で決定して構わないということになります。

 

なお、打ち切り後も治療を継続するとして、治療費の支払いはどうすればよいのかという問題が生じますが、自身の健康保険等を使って治療を継続してください。
健康保険(社会保険)で通院するとなると、治療費について3割分の自己負担が生じますが、当該負担分については、後ほどまとめて相手方の保険会社へ請求することとなります(具体的な請求の仕方については別の記事で紹介します。)