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続けて2回の事故にあったとき-後遺障害部分の負担の割合を証明するのは誰か

以前、一度説明したのですが(→こちら)、最近、また損保会社からおかしなことを言われたので、重ねての説明です。

続けて2回の事故にあったとき、民法上は、共同不法行為ではありませんが、自賠責では、(異時)共同不法行為と呼びます(→こちら)。
後遺障害については、1回目の事故の自賠責の枠と2回目の事故の自賠責の枠を同時に使えます(→こちら)。
この自賠責2社分の枠を超えた部分を任意保険(自動車保険)が負担します(→こちら)。

そこで、自賠責2社分を超えた部分を任意保険(自動車保険)に請求しようとしたのですが、こんなことを言ってきた損保会社がありました。
「自分のところに請求できる割合を証明しないと、支払わない。」

確かに、この場合は、どちらの事故がどれだけ被害者の後遺障害に影響を与えたか=寄与度によって、負担の割合が決まるというのが裁判所の考え方です。
しかし、寄与度が何割かを証明することは、現実的には難しいことです。
それを被害者側に証明しろというのは、無理を被害者に強いるものです。まして、その寄与度を証明しないと、自賠責を超える分は支払わないというのは、被害者いじめです。
裁判所は、寄与度が分からないときは、被害者救済のために、全額の請求を認めています(民法719条1項後段を使います。→こちら)。

つまり、被害者側が、どちらの事故の寄与度が○割だと証明しなければいけないのではなくて、逆に、加害者側が、自分の事故の寄与度は○割だと証明できなければ、全額の賠償をしなければならないのです。
これを、証明責任といいます(以前は立証責任といっていましたが、最近は証明責任というのが流行です。)。
寄与度の証明責任は被害者にあるのではなく、加害者にあるというように説明されます。

もっとも、1回目の事故か2回目の事故のいずれかによって、その後遺障害が残ったということは、被害者側が証明する必要があるとされています。
でも、1回目の事故の治療中に2回目の事故にあったような場合は、そのいずれかによって後遺障害が残ったことの証明はできていると考えられるでしょう。