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前十字靱帯損傷に関わる数字

途中に1回、別の話題を挟みましたが、前十字靱帯損傷の話題の終わりに、前十字靱帯損傷に関わる数字を紹介しておきます。

医療の分野において、もっとも信頼できるのが、統計的な証拠(特に、エビデンスといいます。)に基づいて作成されたガイドラインです(以前、説明しました。→こちら)。
前十字靱帯損傷についても、この意味のガイドラインがあります。
日本整形外科学会、日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会が関与して作成した『前十字靱帯(ACL)損傷診療ガイドライン2012』です(→ウェブ上では、こちら)。

それに出てくる数字をいくつか。

まず、診断に関連した数字です。
膝のけがをした後、血が関節に溜まった場合(関節血症)、60~80%が前十字靱帯損傷です(→こちら)。
徒手不安定検査のうち、もっとも正確なものがラックマンテストで(→こちら)、感度が85%、特異度が94%という数字が紹介されています。ちなみに、医学の世界で、感度と特異度は対になって使われますが、混乱する用語です。改めて詳しく説明しますが、その病気の人をその病気と診断できる割合が感度で、その病気でない人をその病気でないと診断できる割合が特異度です。というだけでは、分からないでしょうね。。。
そして、MRIを使うと、合併損傷を含め、90%以上の患者に正しい診断を下すことができるとされています(→こちら)。

治療についても少し。
手術をしても、事故前の状態には戻らないことがあると説明しました(→こちら)。とはいっても、手術により、けがをする前のスポーツに復帰できる人は、もちろん大勢います。手術により、60~70%の症例が、けがをする前のスポーツレベルに復帰でいるとされています。